期間限定の放送局「Double Cast」が、トーキョーワンダーサイト本郷に出現。
本スタジオには、岩井優、田口行弘の二人のアーティストによって制作された撮影セットや事務所が設置され、ここで実際に撮影・編集された映像プログラムは、「Double Cast」特設サイト及び動画共有サイトYouTubeから配信されます。本展は、Webと撮影現場、これら二つのサイトから発信することで、展覧会というものの新たな発信方法と豊かな享受方法について探る試みです。
また、毎週末にはトークイベントを行うほか、期間中は随時二人のアーティストによるパフォーマンス等を開催し、スタジオ自体が生きた交流の場となるよう広く開放します。最新のスタジオプログラムは、特設サイトにて確認することができますので、ふるってご参加・ご観覧ください。

■開催概要

※Emerging Artists Support Program 2006 とは？
トーキョーワンダーサイトが主催する、若手の展覧会企画者を対象とした支援プログラム。その第一回目の入選作として、Survivartの企画が選ばれました。選考委員(五十音順、敬称略)：小崎哲哉（『REALTOKYO』『ART iT』発行人兼編集長）、住友文彦（東京都現代美術館　学芸員）、太郎千恵藏（美術家、多摩美術大学講師）、家村佳代子（トーキョーワンダーサイト　プログラム・ディレクター）

■関連プログラム

■企画・運営：Survivart（サバイバート）

『お金が全てじゃない』から、『お金のことを考える』。
Survivart（サバイバート）は、日本の芸術・表現の場で語ることを敬遠されがちだった「お金」というキーワードに正面から取り組み、展覧会、対話空間、出版物、アーティスト支援、イベントなど、コミュニティのネットワークを重視したサービスを提供している集団です。詳細はサイトをご覧下さい。→http://survivart.net/

＜お問い合わせ先＞
Double Cast事務局　担当：長内（おさない／Survivart）
Tel: 080-5644-0066　
Email:dc（@）survivart.net（＊メールアドレスの（）は実際には不要です）
URL: http://doublecast.survivart.net

■ステートメント

Double Cast　あるいは二重の存在

　PC画面に小さく示されたプリンターのアイコンは、誰もがよく目にしているものです。このアイコンはプリンターそのものではないので、本体とまったく同じデータを持っているわけではありません。しかしこのアイコンには、実際には本体以上のデータが含まれており、プリンターでいま何が起こっているかを教えてくれるだけでなく、本体に送られた一連の処理待ちデータの内容も示し、さらにプリンターの状態を伝えることも可能です。 実態とそのアイコンが2重の存在として協調関係をもつようになると、実態だけの場合より大きな力を持ちます。そして、その大きな力とは特に監視することに効果を発揮します。
　私たちの社会を見渡してみると、21世紀以降、社会全体としてセキュリティ意識が高まり、管理、監視はより厳しくなりました。私たち自身がそれを欲望し、私たち自身が監視し合っているのが現状であろうと考えます。その中で、私たちはマスメディアにも「二重の存在」の関係を見出します。例えばテレビは実態以上に、視聴者に与える情報（あえてコマンドといいましょう）をコメントや映像で構成し、ゆるやかに欲望させ実行させます。ここでも実態だけの場合より大きな力を持ちます。
　 さて、2重の存在（あるいは監視装置）は私たちの生活に便益をあたえ、協調関係はますます高まっていくことでしょう。しかし私たちは２重の存在を使用しながら、スパイラルではない「もう１つ」の活用法を本企画によって提示します。そして「もう１つ」の活用法は、この現代社会をサヴァイヴァルする上で必要な、内発的行為の可能性を見出します。